映画
大林宣彦の玉手箱―ワンダーランドな空想映画館―
- 10/15(木)10:00~19(月)12:00
大林宣彦「テレビコマーシャル」傑作選
映画作家と並行し、その生涯において約2,000本のテレビコマーシャルを演出するという偉業を成し遂げた大林宣彦。個人映画時代から発揮されたその映画的才能は、広告代理店の草創期にすでに開花され、あらゆる芸術的な映像実験をコマーシャル作品に焼き付けてゆく。
1970年代にはいわゆる「外国人タレント」をコマーシャルに起用する第一人者となり、カトリーヌ・ドヌーブ、ソフィア・ローレン、マイケル・ダグラス、リンゴ・スター、チャールズ・ブロンソンらを演出。コマーシャルの枠を越えた、ショートフィルムのように物語性の深い作品を多数残している。一方日本ではカルピス、グリコ「百恵×友和」シリーズ、国鉄「フルムーン」など、記憶に残るヒット作も。
実はこれらコマーシャルの配信は本プログラム最大の難関(!)であったが、各社より「大林さんのためなら!」と御快諾戴き、本映画祭の期間のみ特別配信が可能になりました。
この場を借りて皆さまに御礼申し上げます。
【ホリ企画制作(現ホリプロ映像事業部)】
1972年 マンダム『マンダム71男の所在』
1972年 鐘淵科学工業『かつらラ・フォンテーヌ 心景色』
1974年 レナウン『イエイエ モンローイエイエ』
1968年 グリコ アーモンドチョコレート
- 監督
- 大林宣彦
- 有料
- 10/15(木)10:00~19(月)12:00
ÉMOTION 伝説の午後=いつか見たドラキュラ
1960年代、大林がテレビコマーシャルを演出するその傍ら1年をかけて作り上げた、16㎜フィルムによる自主映画。
全編にわたり大林が敬愛する西部劇や吸血鬼映画へのオマージュが散りばめられており、とりわけロジェ・ヴァディム監督『血とバラ』に捧げられている。
独特のカット割り、コマ撮り、大胆な字幕の使用など、個人映画時代の集大成であり、後に続く大林映画の「原点」ともいえる作品。
公開当時はアンダーグラウンドブームに乗り、全国の大学祭5分の3で上映されたという伝説が残っている。また今もなお、国内、海外の映画祭等で上映され続けている。
- 監督
- 大林宣彦
- 出演
- 石崎仁 町田圭子 喜多村寿信 宗東美 高橋一郎 立川多美子 森みすず 大林千茱萸
- ナレーション:羽生杏子(大林恭子)、ドナルド・リチ―
- 10/15(木)10:00~19(月)12:00
海外特派員 ある映像作家の場合
大林宣彦30歳頃の作品。
北欧から来日した青年デザイナーの視点で、彼が日本で出逢った「大林宣彦という映画作家とその仲間たち」について語られるセミドキュメンタリー作品。
作品からは「自分たちが時代を作るんだ!」という、大林監督と仲間たちの強い意志や夢や希望がほとばしるように映し出され、時代の空気が切り撮られている。
近年の大林監督の作風は「ドキュメンタリーで撮り、劇映画に仕上げる」と評されるが、すでに半世紀前にそのスタイルの原型が完成されていることが伺える。
実験映画時代から、監督の映画作りの哲学がブレることなく『海辺の映画館-キネマの玉手箱』までを駆け抜けたことがわかる作品。
- 監督
- 大林宣彦
- 有料
- 10/15(木)10:00~19(月)12:00
四月の魚 Poisson D'avril
ポワソン・ダブリル——フランス語で「エイプリル・フール」を意味する言葉。この日に魚の形をしたチョコレートにメッセージをつけて愛する人に贈るとステキな恋が実るというがーー!?
映画監督の根本昌平(高橋幸宏)は、初監督作品が高く評価され主演女優の衣笠不二子(赤座美代子)と結婚した。しかし興行的に振るわず、その後は1本も映画を撮ることはなかった。
そんな冴えないある日、以前CM撮影で訪れた南の島の酋長(丹波哲郎)が日本に来るという連絡が舞い込む。
酋長の島では、友情の証として妻を一晩提供するという風習があり、昌平は新人女優(今日かのこ)を替え玉にしようとするのだが……。
元Y.M.Oの高橋幸宏が主演、製作、音楽を手がけるお洒落でポップなラブ・コメディ。
映画初主演ながら抜群の感性とファッション感覚、おまけにゴキゲンなナンバーも聞かせてくれる。
- 監督
- 大林宣彦
- 出演
- 高橋幸宏 今日かのこ 赤座美代子 入江若葉 三宅裕司 峰岸徹 泉谷しげる 丹波哲郎
- 有料
- 10/15(木)10:00~19(月)12:00
四月の魚 Poisson D'avril / music video [ア・フラグメント/高橋幸宏]
1984年~1985年に制作された高橋幸宏の5本のミュージック・ビデオ集。
曲間には大林宣彦の遊び心溢れた演出により、テラスでくつろいだり、颯爽と自転車に乗ったり、体操(!)に興じる高橋幸宏の姿が映る。
最先端の音楽家でありながら、コメディアン気質をうかがわせる高橋幸宏の、飾らない“素”の姿が微笑ましい。
その中に収められた1本が、この『四月の魚 Poisson D'avril』の主題歌を歌う高橋幸宏のスタジオ録音風景と、『四月の魚 Poisson D'avril』本編のメイキングが編み込まれた大林宣彦監督作品。
メイキングにはキャスト&スタッフに混じり、元気に演出するお茶目な大林宣彦の姿も!
- 監督
- 大林宣彦
- 出演
- 高橋幸宏
- 有料
- 10/15(木)10:00~19(月)12:00
香織の、――わたしものがたり。
撮影当時50歳の大林宣彦が、14歳の坂上香織と出逢うことで生まれた「こっそり、しまっておきたくなる」物語。これまでの大林映画の、いつかどこかで観た尾道を舞台に、「僕・影・私」と3キャラクターを演じる坂上香織が唄うミュージックビデオ。
収録曲は♬レースのカーディガン♬、♬Privacy♬の2曲。
スタッフにはCM時代から大林と組む撮影監督・阪本善尚をはじめ、美術監督に薩谷和夫、音響デザインに林昌平と、往年の大林ファミリー、ベテラン勢がそろい踏み。
5日間の尾道ロケは全編、丁寧にフィルムで撮影された。小さいながらも1本の立派な大林映画。
- 監督
- 大林宣彦
- 出演
- 坂上香織
- 有料
- 10/15(木)10:00~19(月)12:00
マヌケ先生
映画監督・馬場鞠男(三浦友和)は、故郷尾道へ向かう汽車で山高帽と八の字髭の不思議な紳士(谷啓)に出会い、幼い頃の記憶を辿り始めるーー。
鯉の刺青の男と一緒にいた美少女・千代子姉ちゃん(有坂来瞳)のこと、大きなキャメラを担いで被爆地ヒロシマから美しい尾道の風景を撮りに来た外国人監督(大林宣彦!)のこと、戦地から帰ってきた軍医の父(竹内力)と優しい母(南野陽子)、祖父(丹波哲郎)や祖母(入江若葉)のこと……。
そして、かつて自分が子供の頃に拵えたアニメ活動大写真「マヌケ先生」のことを思い出す。
大林宣彦が総監督・原作・脚本を務め、自らが少年時代に描いたキャラクター“マヌケ先生”が現代人の失ってしまった「心」を教えてくれるファンタジー。
馬場鞠男のこども時代を演じた厚木拓郎の場面は、最新作『海辺の映画館-キネマの玉手箱』でも映像の一部が引用されている。大林宣彦の幼少時代を描く自伝的作品。
- 監督
- 内藤忠司、総監督 大林宣彦
- 出演
- 三浦友和 谷啓 厚木拓郎 竹内力 南野陽子 入江若葉 風吹ジュン 有坂来瞳
- 有料
- 10/15(木)10:00~19(月)12:00
嘘つき。THE MOVIE
2004年~2006年まで活動していた古谷智志と繁本穣のユニット、CANCION(カンシオン)。彼らのセカンドシングル「嘘つき」のプロモーションビデオを、大林宣彦自らが脚本を書き下ろし、1本の映画を撮るように先鋭スタッフと共に、大林の古里・尾道でロケをしたのがこの『嘘つき。THE MOVIE』である。
相思相愛“未満” の関係から次のステップに進めない、若い男女のもどかしさを綴る歌詞に大林監督がイメージをプラス。青春期特有の儚さ、切なさを描いてみせる。
ツイン・アコースティック・ギター&ツイン・ヴォーカルが魅力のカンシオン。古谷智志と繁本穣による、ソフトでナチュラルなサウンドが尾道の風景に心地よく流れてゆく。
※今回、配信で使用しております本編映像、当時の素材を使用しております為、画質が悪いこと予めご了承ください。
- 監督
- 大林宣彦
- 出演
- 古谷智志 繁本穣 柴香澄
- 有料
- 10/15(木)10:00~19(月)12:00
この空の花ー長岡花火物語
3月11日を経た2011年夏。
熊本県天草の新聞記者・遠藤玲子(松雪泰子)は、導かれるように新潟県長岡市を訪れた。
理由は、東日本大震災の被災者をいち早く受け入れた長岡を記者の目で見詰めること。
山古志に住むかつての恋人・片山健一(高嶋政宏)から届いた手紙に心惹かれたこと。
そしてなによりも長岡花火に込められた祈りや願いを体験することーー。
取材を重ねていく玲子は、伝説の花火師、放浪の画家・山下清、謎の一輪車の少女と出逢い、数々の不思議な体験を重ね、それが長岡の歴史と折り合わさっていることを理解したとき、長岡の町で奇跡の祝祭が始まる!
- 監督
- 大林宣彦
- 出演
- 松雪泰子 高嶋政宏 原田夏希 猪股南 寺島咲 富司純子 尾美としのり 柄本明
- 有料
- 10/15(木)10:00~19(月)12:00
映画の根「この空の花ー長岡花火物語」全記録 或る都市の「志」の物語
これは『この空の花―長岡花火物語』(2012)のメイキングではあるが、正確にはメイキングとは呼べない。むしろメイキングの枠を飛び越えた、映画の「教科書」の体を成している。
本編撮影時にメイキング班として、大林の娘・千茱萸(ちぐみ)が撮影した映像を、監督自らが組み直し、本編の映像を匠に織り込み、虚実を織り交ぜながら半年をかけて拵えた、新たなる1本の大林監督作品。しかも本編の3倍近く(!?)ある超大作だ。
『この空の花―長岡花火物語』本編に、大林宣彦監督はあえてエンドマークをつけなかった。そのことで映画の中の物語が次第に現実に滲み出していく。
撮影現場から完成試写、そして全国各地への上映行脚から派生する数々のドラマを盛り込む。『この空の花―長岡花火物語』にまつわる全記録。映画の誕生とともに、大林監督と旅をしているような作品である。
編集: 大林宣彦、三本木久城
- 監督
- 大林宣彦
- 有料
- 10/15(木)10:00~19(月)12:00
野のなななのか
かつて炭鉱の町として栄えていた北の古里、北海道・芦別市。
晴れた夜には満天の星が広がる、この美しい大地で物語は繰り広げられる―。
この町に生まれ、長く開業医として努めてきた鈴木光男(品川徹)は、病院を閉院後「星降る文化堂」と名づけた古道具屋を孫の看護師・カンナ(寺島咲)と共に営んでいた。
ある日、カンナが勤め先の病院から帰宅すると光男は家の奥にあるアトリエで眠るように倒れていた。カンナは慌てて救急車を呼ぶが、光男の余命は僅かと告げられる。
これを機に普段はバラバラに暮らしていた光男の親族(村田雄浩)(松重豊)(山崎紘菜)(左時枝)は、次々に芦別へと家庭の事情を抱えて戻ってくる。
光男が息を引き取ろうとしたその瞬間、病室に現れる謎の女性・信子(常盤貴子)。彼女の登場で物語は、過去と現在を彷徨いながら光男の知られざる過去の壮絶な出来事へと導かれてゆく―。
終戦直後の8月15日以降も続いていた北海道史に影を落とす樺太での戦火の中、光男の親友・大野(伊藤孝雄)と意中の女性・綾野(安達裕実)との秘められた出来事。光男と信子を繋ぐ、中原中也のある詩の存在…。
移ろいゆく芦別の美しい四季の中で、家族とは何か?生きるとは何か?を見つめ直す壮大なファンタジーが繰り広げられてゆく―。
2011年3月11日を機に、一人の映画作家として未来への責任と覚悟を決め、本製作に望んだ映画作家・大林宣彦監督の渾身の一作。
- 監督
- 大林宣彦
- 出演
- 品川徹 常盤貴子 村田雄浩 松重豊 窪塚俊介 寺島咲 山崎紘菜 柴山智加
- 有料
- 10/15(木)10:00~19(月)12:00
「野のなななのか」京都国際映画祭2020メイキング特別版
【京都国際映画祭2020】開催期間“限定公開”用として新たに作られた、本邦初公開となる『野のなななのか』のメイキング。
撮影は大林監督の娘・千茱萸(ちぐみ)。娘ならではの視点で2013年6月クランクインから7月のクランクアップ、そして完成した映画を大林監督自ら携えて芦別に戻るまでを密着。
誰も撮ることの出来ない大林宣彦の本音をはじめ、現場で元気に走り回りながら演出している姿が収められている。さらには北海道芦別市で撮影された約200時間の撮影素材から、メイキングと本編を対比することで「大林映画の作り方」「大林映画の秘密」がよくわかるような構成となっている。
今回を見逃すと次の上映予定はないため必見!!
撮影・取材・企画: 大林千茱萸
編集協力: 三本木久城
編集: スターゲイト
制作: 山本晋也
製作: 大林千茱萸 中村直史
- 出演
- 大林宣彦と『野のなななのか』に関わった皆さん
- 有料
- 10/15(木)10:00~19(月)12:00
ノンフィクションW 大林宣彦&恭子の成城物語 [完全版] ~夫婦で歩んだ60年の映画作り~
1977年の商業映画監督デビュー以来、尾道3部作をはじめとする40本以上もの作品を作り上げ、いまなお日本映画界のトップランナーであり続ける映画監督の大林宣彦。
そんな大林には60年間もの間、公私にわたり彼を支え続けてきた妻でありプロデューサーでもある大林恭子という存在があった。
過去の映像、仲間たちの証言などから大林が自主映画の制作を始めた青春時代や、妻・恭子と過ごした日々を振り返り、ともに生きてきた2人の唯一無二の絆に迫る。
- 出演
- 大林宣彦 大林恭子 常盤貴子 浅野忠信 細山田隆人 細田善彦 厚木拓郎 山田洋次 樋口尚文 坂本善尚
- 10/15(木)10:00~19(月)12:00
てのひらの中で、乾杯! キリンビールのできるまで
1970年当時、キリンビールの工場を訪れた見学者に向けてのみ上映されていたという、たいへん珍しい企業PR映画。
前半はビールについての格言や、OPEN仕立ての横浜工場など、当時の人びとの生活スタイルなどを写真でコラージュ。
後半は、“ビールの精”に扮する女の子がビールのできる過程を「あわあわあわ、しゅわ~♬」と、工場内の工程を歌と踊りで紹介していくという、なんともポップでオシャレなミュージカル仕立てになっている。
エンディングのエピソードに登場するのは、大林宣彦夫人の恭子、娘の千茱萸ほか、当時の大林映画の仲間たちが幸せそうにビールで乾杯している。
撮影は大林映画『北京的西瓜』『ふたり』などの長野重一。当時のPR映画としては画期的であったことから伝説となっている貴重な作品。
今回はキリンホールディングス株式会社さんのご厚意にて配信可能になりましたので、ぜひこの機会に御覧下さいませ!
- 監督
- 大林宣彦
- 出演
- 山吉鴻作 久代ナナ美 木下桂子
- 10/15(木)10:00~19(月)12:00
【大林宣彦の玉手箱ーワンダーランドな空想映画館ー】スペシャル企画 常盤貴子×大林恭子×大林千茱萸 鼎談
特別企画「大林宣彦の玉手箱―ワンダーランドな空想映画館―」の作品解説とその制作秘話を、大林作品のプロデュサーであり監督の妻である大林恭子さん、監督のご息女の大林千茱萸さん、そして監督の後期作品を支えたミューズ的存在の女優、常盤貴子さんにお聞きし、大林宣彦監督の映画作法、そこから見える大林映画の真髄に迫る映画祭特別鼎談。
- 出演
- 常盤貴子 大林恭子 大林千茱萸