開催概要京都国際映画祭に向けて

  • コロナ騒ぎの渦中にあって、今年の映画祭は果たして開催することが出来るのかどうか、
    正直言って昭和一ケタ生まれの昔人間にとっては、とんだ難題をつきつけられた思いだった。しかしとにもかくにも今の状況に合わせた形態―オンラインの使用等―による映画祭として開催に漕ぎ付けられたことは何よりであった。
    未だ手探りの部分は多分にあろうかと思うが、そこは若い人たちの英知と実行力を存分に発揮して貰い、より楽しみのある映画祭に開催されればと念じている。一例を挙げれば、京都が日本映画の重要な揺籃(ようらん)の地であり、以後そこで生まれた大量にして質の高い映画作品の数々……それらは情報発信も一工夫さえすれば……。
    いずれにしろ災い転じて福と為す。コロナ騒ぎの中から、ひょっとして新しい映画祭が生まれてくるかも知れない。

    京都国際映画祭実行委員会 名誉実行委員長

    中島貞夫

  • コロナが地球を襲いました。1151年前に疫病退散を願って始まった祇園祭は今回、疫病のクラスターを生んではいけないと山鉾巡業を中止しました。
    それでも神事は行われました。五山送り火は大文字が6点、妙法らは1点だけのともしびでした。それでも灯されることに意味がありました。出町柳から眺めました。
    「映画もアートもその他もぜんぶ」。京都国際映画祭も見習って、最大限できることを致します。
    千年の文化が息づき、映画・ゲーム・アニメ、ポップカルチャーを創り続ける街。観光人気ランキングで世界トップを競い続け、文化庁が置かれる都市。
    京都を愛するみんながつながって、「ぜんぶ」を楽しみ、創ります。オンライン映画祭という試みで、いやむしろ、オンラインを活かして、世界中に発信します。
    コロナ後の、令和の形を作り出したい。よろしゅうに!

    京都国際映画祭実行委員会 実行委員長

    中村伊知哉

  • 今年、映画界の大きな星が旅立ちました。「海辺の映画館 キネマの玉手箱」という鮮烈な光を放って…。大林宣彦監督はこの映画の当初予定されていた初日(2020年4月10日)に亡くなられました。
    監督と最後に交わした会話は去年の年末です。
    「来年の京都国際映画祭では大林宣彦監督特集をやらせてもらいますね」という私に「ありがとう、それまでには元気になるよ」というご返事。
    年も明け、しばらくして世の中は新型コロナ一色。監督とお会いする機会も奪われ…再会できたのは4月11日、御自身のベットで安らかに眠る監督でした。
    奥様の恭子さんが教えてくれました。「最後の一週間、夢の中で毎日現場にいたみたい。同じ言葉を繰り返すの…お疲れ様、ありがとうって」
    監督、今年の京都国際映画祭は約束どおり大林宣彦監督特集をやらせてもらいます。そのプロデューサーは(娘さんの千茱萸さん)にお願いしました。人間、大林宣彦を身近に感じたいのです。
    そして、今度は我々が監督に言わせてもらいます。 「お疲れ様、ありがとう」って。

    京都国際映画祭 総合プロデューサー

    奥山 和由

  • コロナ禍、自宅で断捨離をし不必要なものを処分していたら、私にとって必要なものはなにか?が見えてきた。衣食住は最低限のものがあれば生きることはできるが、興味を惹かれるものがなければ活きていけない。「あぁ、街に出ていきたい」。そんな衝動に駆られるなか加速していったのが、連日のテレビでの映画鑑賞と芸術関連のネットサーフィン。気が付けば朝というのもしばしば。そして外出自粛が解かれ、繁華街やギャラリーに出向いた時の解放感たるや、半端ない。
    普段慣れっこになってしまって感じなかったまちの華やかさ、そしてそれを支える人々のあきらめないというパワー。今年のアートのテーマは、そんな華々しさや一輪の花のような健気さを併せ持った『華のあるまち』。そしてそれを支える方々の『げんきの源』をキーワードに、コロナ禍、オンラインでアートとその他をお届けしたいと思っています。

    京都国際映画祭アートプランナー

    おかけんた

  • 多くの催しが「吹き飛んでしまった!」コロナ禍!
    リアル?オンライン?ハイブリッド?!第7回目の【京都国際映画祭】はオンラインで開催させていただく事になりました。
    何が正解で何が不正解かが、分からない状況ではありますが、長い歴史の中で未曾有の出来事に遭遇したからこそ、新たな発見をする事が出来るのでは無いかとも思います。
    地元京都の皆様のお力添えを今回も多数いただいております。
    伝統と革新が交差する、この京都の地から世界に京都国際映画祭を今回は「オンライン」で発信してまいります。
    初のオンライン京都国際映画祭をお楽しみいただければと思います。

    京都国際映画祭実行委員会 実行副委員長

    上野公嗣

  • 「映画祭」という概念にとらわれることなく,「映画もアートもその他もぜんぶ」をテーマに京都から世界へ,発信しておられる京都国際映画祭。本年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を念頭に,「オンライン映画祭」という新たな試みで開催されますことを,心から嬉しく思います。
    開催に当たり尽力してこられた中島貞夫名誉実行委員長,中村伊知哉実行委員長をはじめ,全ての関係者の皆様に,深く敬意と感謝の意を表します。
    今回は,オンラインならではの特性をいかし,世界中の皆様に好きな場所で楽しんでいただけるイベントとなります。
    新型コロナの影響により社会や経済が大きな打撃を受け,多くの文化芸術事業も中止や延期,見直しを迫られる中,本市では,映画をはじめとする京都の大切な文化や芸術,そして,その担い手の皆様の御活動をしっかりと支えてまいります。
    文化芸術の発展と新たな可能性に挑戦するこの映画祭を,どうぞお楽しみください。

    京都市長

    門川 大作

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